サプリメントでいくつ知っている名前はありますか?
あまりサプリメントに詳しくない方でもHMBやBCAA、EAAについては聞いたことはあるのではないでしょうか?
そこで、今回はHMBやBCAA、EAAについての違いを詳しく説明していこうと思います。
これらは正しく飲むことでより効果的に体を成長させることができますので、ぜひとも参考にしてください。
HMBとBCAAとEAAの共通点

まずHMBとBCAAとEAAにどのような成分が入っているのかについて説明していこうと思います。前提として、それぞれはアミノ酸が深く関わってくるという共通点を持ちます。
アミノ酸は人間が吸収できないものも合わせると世の中に500種類以上あるとされています。その中でも、人間が利用できるアミノ酸は20種類に過ぎません。
この20種類のうち、食べ物から摂取することもできますが、人間の体の中で合成され、特に摂取する必要がないアミノ酸を非必須アミノ酸といい、11種類あります。
また人間の体の中で合成することができず、必ず食べ物から摂取する必要があるアミノ酸を必須アミノ酸といい、9種類あります。
食べ物からアミノ酸を摂取する場合、アミノ酸は体の中でタンパク質が分解され、吸収されます。つまり人間の体ではタンパク質→アミノ酸となり、吸収できる最小単位の結合になってから吸収されます。
HMBとBCAAとEAAの成分の違い

ではまず初めにHMBとBCAAとEAAの成分の違いについて話していこうと思います。
HMBの成分
アミノ酸にはそれぞれ役割があります。HMBはアミノ酸の中で筋肉の形成を促進し、筋肉の分解を防ぐ役割を持つ必須アミノ酸のロイシンの代謝物(消化され吸収されること)です。
実はロイシンが代謝されても、HMBはあまり吸収されません。なぜならロイシンを摂取してもほとんどは吸収されず、排出されてしまう特性があるからです。そこで、そもそも生成量の少ないHMBを効果的に摂取しようと、サプリメントから直接摂取することができるということです。
BCAAの成分
BCAAは必須アミノ酸9種類のうち、筋肉の合成や筋トレのパフォーマンス向上など、ボディメイクする上で効果のあるバリン、ロイシン、イソロイシンの3種類が集まったものです。
バリン、ロイシン、イソロイシンのそれぞれの結合が枝分かれするような分子構造になっていることから、
Branch-Chain-Amino-Acid(分岐鎖アミノ酸)といいます。
EAAの成分
EAAは必須アミノ酸9種類全てが集まったものです。実は筋肉を作る上では必須アミノ酸9種類が全て摂取する必要があります。
9種類のうち、どれか1つでも欠けていると筋肉は合成することができなくなります。どれだけ必須アミノ酸がバランスよく含まれているかをアミノ酸スコアといい、100を最大値として算出されます。
→アミノ酸スコアについてはこちらのバケツの図をご覧いただけるとイメージしやすいでしょう。

EAAは必須アミノ酸のことなので、Essential-Amino-Acidといいます。
- HMB:必須アミノ酸であるロイシンの代謝物
- BCAA:必須アミノ酸の中で筋肉合成やダイエットに効果のあるバリン、ロイシン、イソロイシンを含んだもの
- EAA:必須アミノ酸9種類全て含んだもの
HMBとBCAAとEAAの効果の違い

HMBとBCAAとEAAの成分は理解できたと思います。次にそれぞれの効果の違いについて詳しく話していこうと思います。
HMBの効果
HMBを摂取することで得られる効果は次の通りです。
- 筋タンパク質の増加
- 筋タンパク質分解の抑制(アンチカタボリック)
HMBの効果としては主に、筋肉の合成を手助けし、筋肉の分解を防いでくれます。
筋トレをする目的は筋肉を合成することです。しかし、筋肉は合成するとともに、常に分解もしています。体を大きくするにはこの分解量よりも合成量を増やすことが欠かせません。
このときにHMBを摂取しておくことで、分解を防ぐことができ、また筋肉の合成も促してくれるのでより筋肉を成長させることができます。
BCAAの効果
BCAAを摂取したときに期待できる効果は次の通りです。
- 筋タンパク質の合成促進
- 筋タンパク質の分解抑制
- 筋損傷の軽減
- 筋肉中のグリコーゲン節約
- 乳酸量抑制
BCAAを摂取することで得られる効果は、筋肉の合成に作用するものと、運動のパフォーマンスを向上させるものがあります。
筋タンパク質の合成を促し、分解を抑制することで、合成量>分解量となるため、より筋肥大を狙うことができますね。
また、運動でパフォーマンスを出すには、糖質などをとって蓄えられるグリコーゲンが重要です。BCAAを摂取することで、パフォーマンスが上がり、グリコーゲンの節約にもつながります。
また、走って息が切れている状態では乳酸菌が体に溜まっていて苦しいですよね。この乳酸菌の量をBCAAによって抑制できますので、より高パフォーマンスの筋トレを行うことができます。
グリコーゲンが不足した状態で筋トレをするとパフォーマンスが出ないどころか、筋肉も分解されてしまいます。グリコーゲンについて詳しく知るにはこちらをどうぞ!
→空腹時の筋トレは意味がありません!効果的な筋トレのタイミングと対策を説明します!

EAAの効果
EAAに期待できる効果は次の通りです。
- 筋トレのパフォーマンスが上がる
- 筋タンパク質の合成
- 疲れが溜まりにくい
EAAは必須タンパク質9種類全てを含みます。そのため、EAAを飲むだけで筋肥大を狙うことができます。HMBやBCAAは必須アミノ酸9種類が含まれていませんので、いくら飲んでも筋肥大することはできません。これがHMB、BCAAとの最大の違いでしょう。
また、EAA自体もエネルギー源で、BCAAに含まれるアミノ酸も含まれているため、BCAAで得られる効果も付加されます。
- HMB:筋タンパク質の合成促進と分解抑制
- BCAA:筋タンパク質の合成促進と分解抑制、筋トレのパフォーマンス向上
- EAA:筋肥大、筋トレのパフォーマンス向上
HMBとBCAAとEAAの飲み方の違い

HMBとBCAAとEAAの違いについてはわかったと思いますので、次に飲み方について紹介していきます。
HMBの飲み方
HMBのおすすめの飲むタイミングは筋トレ前と就寝前です。筋トレ前と就寝前にそれぞれ1~2gほど水などで割って飲むと良いでしょう。
しかしこのHMBですが、実は2種類タイプがあり、それぞれのタイプによって吸収時間が変わってきますので、飲むタイミングが変化します。
HMBカルシウム
まずはHMBカルシウムです。こちらはカルシウムと結合したタイプで、製造のしやすさと値段の安さの点から、現在のHMBのほとんどはHMBカルシウムです。
HMBカルシウムは吸収時間が比較的ゆっくりで、摂取後約2時間後に吸収され始めます。
就寝前ならば摂取しても、寝ているタイミングで吸収され始めるのでいいのですが、筋トレの効果を最大化するには筋トレを始める2時間前に摂取すると良いでしょう。
筋トレは食後2~3時間後にすると、最も効果が高いです。そのため、食前か食後すぐにHMBを摂取して、筋トレを行うと良いでしょう。
先ほどと同じ記事ですが、こちらで食後2~3時間後に行う理由について詳しく書いていますので、ぜひご覧になってください。
→筋トレを行うのに最も良いタイミングが食後2~3時間後の理由とは?
HMB遊離酸
HMB遊離酸はHMBカルシウムと比べて、吸収速度が30分程度と早いことが特徴になります。こちらは摂取後すぐに吸収されますので、筋トレ直前に飲んでも問題ないでしょう。
しかし、ほとんどのHMBはHMBカルシウムであるため、HMB遊離酸は少なく、価格も鷹くなってしまうことが欠点でしょう。
BCAAの飲み方
BCAAはプレワークアウト用のドリンクとして飲むことが望まれます。プレワークアウトとはpre-workoutということで、筋トレ前に飲むドリンクということです。
筋トレ前に飲むことで、BCAAに含まれる筋肉の合成を促進する効果や、パフォーマンスの向上などのメリットを受けることができるからです。
アミノ酸はそれ以上分解する必要がないため、摂取後15分程度ですぐに吸収されます。筋トレを始める直前に5gほどを200mL~300mL程度の水と一緒に飲んで筋トレに励みましょう。
EAAの飲み方
EAAのおすすめの飲み方は朝起きてすぐと、筋トレ中になります。まずEAAもBCAAと同様で15分程度で吸収されるため、栄養がすぐに欲しいタイミングで飲むことが望まれます。
睡眠中は体に栄養を入れることができないため、朝起きてすぐは体に何もない枯渇状態になっています。そのため、朝起きたら朝ごはんよりも前にEAAを飲むことで、素早く筋肉に栄養を届けることができます。
また、筋トレを行って1回目から筋繊維が傷つけられ、修復が始まります。そのため、筋トレ中にEAAを摂取することで、筋トレをしているときから修復に必要なアミノ酸を届けられるということです。
EAAを飲む際は一度に10~15g程度にして、300mL~400mL程度の水と一緒に飲みましょう。
筋肉もつくという理由から、筋トレ前にBCAAではなくEAAを飲んだらどうかと思うかもしれません。しかし、それはお勧めできません。
EAAにはトリプトファンというアミノ酸が含まれます。筋トレ中は交感神経が活発になりますが、トリプトファンにはリラックス効果があるため、副交感神経が優勢になってしまうことがあるからです。
そのため、筋トレ前にEAAを飲むことで、これから筋トレを行おうと思っても、やる気がなくなってしまうからですね。これには個人差があるので、全く影響がないという方は筋トレ前に飲んでも問題ないと思います。
- HMB:筋トレ前と就寝前に1~2g程度を水などで割る
- BCAA:筋トレ前に5gほどを200~300mLの水で飲む
- EAA:朝起きてすぐや筋トレ時に10~15gを300~400mLの水で飲む
アミノ酸を摂取する際は浸透圧に注意
BCAAとEAAは吸収時間がとても早く、筋肉にすぐに栄養を届けられると説明しましたね。これはタンパク質からアミノ酸に分解するまでの工程をスキップできるからです。
BCAAは一度に5g程度、EAAは一度に10~15g程度飲む説明しましたが、一度に大量に摂取したり、割る水などの量が少ない場合はお腹を崩すこともあります。
タンパク質は分解されてから吸収されるため問題がありませんが、アミノ酸はそのまま吸収されるため、アミノ酸の濃度が濃いと、腸を通った際に浸透圧で、腸から水分が流れ出てしまうからです。
そのため、飲む際はたくさん飲み過ぎず、また水も多めに入れて飲みましょう。
HMBとBCAAとEAAの値段の違いと感想
それぞれの価格を大手サプリメント会社であるマイプロテインの公式サイトの値段を参考にしてまとめます。
値段(1kgあたり) | 味 | 効果 | |
HMB | 9790円 | △ | △ |
BCAA | 8090円 | ○ | ○ |
EAA | 11290円 | ○ | ○ |
それぞれの価格ですが、BCAA<HMB<EAAという順番になりました。
BCAAに含まれる3種類のアミノ酸も含んだ全てのアミノ酸が入っているため、BCAAよりもEAAの方が価格は高くなります。また、HMBは匂いが強く、それを消すのが大変だそうで、それらの製造方法から値段はBCAAよりも高くなっていますね。
HMBを使った感想
HMBは個人差があり、また効果があってもあまり高くないのではと感じました。
少し前にHMBのサプリメント広告がYouTubeで騒がれていましたが、目に見えた効果はあまりありませんでした。
もちろんHMBの成分を見る限り効果がないことはないですが、HMBの効果以上に、筋トレ前のご飯や、またプレワークアウト用ドリンクの効果が高いため、実感できなかったというところでしょうか。
おすすめはHMBとクレアチンが入ったこちらのサプリメントです。HMBに実感できるほどの効果がないにしろ、クレアチンなどと同時に飲むことで、筋トレの質は間違いなく向上します。
クレアチンも筋トレ前に摂取すると良いですが、クレアチンの効果として、筋トレの最後の一回などの踏ん張りだったり、最大強度が向上したりします。
クレアチンの記事は作成中ですが、こちらはかなり効果を実感できます。ぜひとも同時に飲むことをおすすめします。
BCAAとEAAを使った感想
BCAAとEAAについては効果はすぐに実感できると思います。
食後2~3時間後にBCAA無しと有りで筋トレを行ったら、パフォーマンスの違いに驚くと思います。より重たいものを持てるかはその日のコンディションにもよりますが、疲れにくさがBCAA無しの場合と比べて、実感できるほど変わると思います。ぜひ試してみてください。
EAAは起きてすぐと筋トレ中がおすすめですが、それぞれのタイミングで飲むことで、素早く筋肉に栄養が届けられるため、筋肉の成長速度も変わってきます。こちらもぜひとも試してみてほしいです。
【HMBとBCAAとEAAの違い】まとめ
今回は一度は聞いたことのあると思う、HMBとBCAAとEAAの様々な違いについてまとめてみました。
それぞれの違いを理解して、ぜひ試してみることをおすすめします。最後までありがとうございました。
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