道具を用意しよう
自重トレーニングの限界
このサイトを見て、筋トレを始めようと思ったが、何をすればいいかわからない人も多くいるでしょう。腕立て?腹筋?それらでもいいのですが、筋肉を成長させたい人にはあまりおすすめできません。
なぜなら、筋肉を成長させためには、正しいフォームで正しい部位に、適切な負荷をかけて刺激したときに、一番筋肉が刺激されるからです。
腕立てや腹筋などは自重トレーニング(自分の体重を利用して行うトレーニング)と言われ、負荷を任意に変えることができないのが特徴です。そのため、腕立てが1回もできない人なら、腕立ての負荷は強すぎるし、逆に20回など行える人は負荷が弱すぎて、どちらの状態でも筋肉を大きくすることは難しいのです。
筋トレ道具の必要性
そこで筋トレの道具を用意する必要があります。道具があれば、腕立てが1回もできない人は自重よりも負荷の低い重さで、適切な負荷を与えることができるし、20回できる人は、自重よりも負荷の高い重さを扱うことで適切な負荷をかけることができるからです。
ここでは初心者がどのような道具を用意すればいいか説明したいと思います。また紹介する道具の中には怪我などを防止するためのものもあるため、こちらも検討するとよいです。
また、値段は高ければ高いほどいいということではなく、初心者にとっては始めやすいということも大切な要因となるでしょう。そこで比較的安価で、場所をあまり取らず、品質的にも安心できるものを紹介していきたいと思います。
自重トレーニングは負荷を変えられないため、その人にとって適切な負荷をかけることができない場合もあるため、ダンベルを用意することによって、自分に合った負荷をかけることができるので、数ある筋トレ器具の中でまず初めに用意すべきです。またダンベルにもいくつか種類があるため、どのダンベルを用意すればいいかを次に説明していきます。
アジャスタブル式
お勧めは負荷を変えられるアジャスタブル式というダンベルです。ダイヤルをひねるだけで、重さを簡単に変えられ、付け替える時間を省けるという特徴があります。
またアジャスタブル式には2種類あり、一般的なダンベルの形をしたタイプと、箱状のダンベルに手を入れるタイプがあります。この箱状のダンベルは筋トレを行う上で当たったりして、邪魔になる可能性があるため、買うとしたら一般的なダンベルの形をしたタイプを選ぶと良いでしょう。
プレート式
自分でプレートを付け替えるダンベルもあります。こちらはプレートを自分でいちいち付け替えなければいけないという手間はあるが、アジャスタブル式と比べて安価で用意することができるという特徴があります。
固定式
重さを変えられないダンベルもあるが、これはおすすめしません。筋肉は常に成長し続けるため、そのダンベルを買ったところですぐに重さが足りなくなり、自重トレーニングと同じように効果が薄れてしまうからです。
重さの選択
重さは女性なら20kg、男性なら30kgほど用意しておけば、初心者であればどんなトレーニングでも重さが足りなくなることなく行うことができるでしょう。最初のコストはかかるが、後で買い足すなど、勿体ないことをしないように、そんな重たいものはいらないと思わずに思い切って買った方が後々後悔もしなくて済みます。
女性におすすめ
ダンベル20kg×2セット。このセットの中ではほとんど最安値です。しかもIROTECという有名な会社の商品のため、安心でき、塗装も剝がれにくく、ずっと使うことができる商品です。2.5kg~20kgまで2.5kg刻みで調整可能です。
上のIROTECの商品にカバーが付いたものです。少し値段は上がるが、床を傷つけたり、落とした時の音を軽減でき、ダンベル自体もより長く使うことができる筆者おすすめの商品です。
アジャスタブル式の中では最安値。また、こちらの商品は重さを2.5kgより細かく変えられることができます。安価な商品で5kg刻みで変えられるものもありますが、いきなり5kg重量が上がっても、重すぎて持ち上げられないこともよくあり、細かく変えられる方が優秀なダンベルでしょう。
男性におすすめ
ダンベル30kg×2セット。このセットの中では最安値で、重さも細かく変えられて申し分ないです。しかし、セメント製であるため、プレートの直径・厚さともに鉄製と比べて大きいため、筋トレを行う上で可動域が狭くなる可能性があるので注意。
有名なIROTECのダンベル。カバーが付いており、床を傷つけたり、落とした時の音を軽減でき、塗装も剥がれにくく、ダンベル自体もより長く使うことができる筆者おすすめの商品です。
次にこちらの41kgのダンベルを紹介します。この重さでは最安値で、細かく重さを変えることができます。これから本格的に筋トレを行う予定の男性は30kgでも物足りなくなる可能性があるため初めからこちらを買って、買ったからには頑張らなきゃとモチベーションを上げて行うのもいいでしょう。またベンチプレスなどを行うとき、扱う重量が大きくなると、膝にダンベルを乗せてから体を倒しす「オンザニー」というテクニックを使用することがあります。この形状ならこのテクニックも使えるため、今後を見据えると、こちらの商品はかなり優秀となります。
床の保護や滑り止めに
ダンベルなどを置いて床を傷づけないように、マットを置いておくと安心です。
またダンベルのトレーニング中、落としてしまったり、強く地面に置いてしまうときもあり、そのときの床の保護や、下の階への衝撃を減らすためにも用意すると良いです。
またトレーニングベンチや懸垂台などの器具を置いたときも、床を保護することができます。
さらに筋トレを行うとき、踏ん張ることもよくありますが、そのとき、床が滑りやすいと、転倒して怪我にもつながってしまうため、このような理由からマットは用意しておくと良いでしょう。
トレーニングベンチのサイズは約120×45cmあり、ベンチを置くならこの6枚でも十分です。懸垂台なども置くならもう少し必要となります。また厚さも1.2cmあるので、床をしっかり保護することができます。
厚さは1cm、1.5cmから選択でき、サイズも大きく、トレーニングを行う上では申し分ないです。下の階などへの影響を考慮すると、より厚い方が安心です。
トレーニングの幅が広がる
筋トレを行う上でベンチがあると、トレーニングの幅をかなり広げることができます。
ベンチがなくても椅子などを代用にして行える種目もあるが、それだと、椅子が倒れたり、筋トレがしにくいこともあるため、筋トレ専用のベンチを買うことを勧める。
トレーニングベンチの中で、背中を上に起こす(インクライン)ことや、下に倒す(デクライン)ことも可能となり、ベンチを使用することで、さまざまなトレーニングが可能となるので、もっと筋トレをしたいという人にはお勧めします。
椅子を倒したり、起こしたりして、傾斜を作れるトレーニングベンチ。丈夫でデザインも洗練された筆者おすすめの商品です。
傾斜を作れるベンチの中で最安値。また、足掛けも取り付けられているので、寝ながらダンベルを頭の上に持ってくる筋トレなどで、体を支えられることができます。
グローブは大きく分けると二種類あります。一つは手を保護するための手袋のようなもので、もう一つはパワーグリップという重たいものを持つときの握力補助のために使用します。
滑り止め付きグローブ
一つ目のグローブは、ダンベルによって手が荒れることを防ぎ、滑り止めとして使うことができます。手が良く乾燥しやすい、ダンベルなどを持ってて痛いなどある場合は、用意しておくと良いです。
握力補助
パワーグリップのグローブの主な目的は握力補助であり、握力不足でその部位を追い込めなかったなどを解消するためにあります。しかし、形状も特殊で、ダンベルを握ったりするときにも手間になるため、握力補助以外の目的で使用するときには、一つ目の一般的なグローブを使用するとよいでしょう。
上で述べた一般的なグローブ。色やサイズを自分で選べます。
パワーグリップ。重たいダンベルを持つときや、懸垂を行うときの握力補助で力を発揮します。
腰の保護
胸、背中、脚、腕など、ほとんどの筋トレで腰を使います。このとき腰に負担がかからないように、お腹に力を入れて、腹圧を高めて筋トレを行うのが怪我を防ぐために大切になります。
しかし、扱う重量が重くなるほど、腰への負担も大きくなるため、腹圧をサポートする役割で腹圧ベルトがあります。
いくら気を付けていても、腰を痛めたり、ぎっくり腰になる可能性があるため、少しでも不安を抱えている場合は腹圧ベルトを用意するとよいでしょう。
ナイロン製のトレーニングベルト。マジックテープで止めるため、フィット感は良いです。サイズを選べるため、ウエストに合わせて選ぶとよいでしょう。
レザー製のトレーニングベルト。レザーの方が硬いため、サポート力はナイロンと比べて上がります。しかし、固定としてピンを挿すためフィット感や着脱のしやすさでは劣ります。
上半身全体のトレーニングに
懸垂を行うことで、主に背中や上腕二頭筋(上腕の内側)を鍛えることができる。自重で行うトレーニングは負荷が物足りなくなると説明しましたが、懸垂は自重トレーニングの中でかなり負荷が強いものであり、これだけでも十分発達させることができます。そのため、ダンベルだけでも十分背中を大きくすることは可能ですが、懸垂台もあると成長は速くなります。
また、懸垂台の中には、懸垂だけではなく、腹筋や腕立てを行えるものもあるので、懸垂の他に、いろいろな部位を鍛えたい場合はそれらを購入してもいいでしょう。
懸垂が全然できない場合は、チューブを用意し、上からチューブを掛け、脚を掛けることで負荷を弱めることも可能です。また15回以上できるという場合は、加重ベルトを腰に巻き、プレートを乗せることで、負荷を強くすることができます。
懸垂台を置く場所がない場合は、このような壁と壁で固定して使う懸垂バーで代用も可能となります。
折角懸垂台を買うなら、さまざまな機能がついていた方がいいでしょう。懸垂のバーはワイドグリップにも対応していて、より背中に負荷を与えられます。また、背もたれを使用して、脚を上げ腹筋を鍛えたり、ディップスを行ったり、下のバーで腕立ても可能な多機能なマシンです。
こちらも同様に多機能な懸垂台。値段や性能で気に入った方を用意しよう。
主に腕(上腕二頭筋、上腕三頭筋)や肩前部を鍛えるのに有効です。左右同時に鍛えることができるため、左右差を少なくしたり、また時間短縮も図れる。
また形状がW型となっているため、例えば上腕二頭筋は小指を内側にひねったほうが収縮されるため、より収縮させて効率を上げることが可能となります。このようにW型となることで、効率が上がったり、種目によっては手首への負担を減らすことができます。
使用するダンベルとしてアジャスタブル式を選択した場合、付けられるプレートがなく、別途に用意する必要があるため、このような制限から星1。
Wバーの中で最安値です。また、ほとんどのダンベルプレートと互換性があるため、安心して使用できます。
IROTECのWバー。ダンベルと同じメーカーを使いたいならこれを選ぶと良いでしょう。
筋トレ前準備をしよう
筋トレ前に
これから筋トレを始めるぞ!と奮い立っていきなり筋トレを行うのは少し待ってください。
その前に、怪我をしないように軽い重量から筋トレを行い、ウォ―ミングアップを兼ねつつ、徐々に重さを挙げていくことを勧めます。
ストレッチしたからいいだろうというのは間違いであり、ストレッチだけ行った後、いきなり重い重量を扱うと怪我をしてしまう可能性があります。
筋トレを行う上では準備運動も大切だが、それよりも重さを徐々に上げていく(例えば20kgで10回トレーニングを行っていた場合、5kgで10回→10kgで7回→15kgで3回→20kg)方が大切です。
しかし、たくさんやりすぎると、本番の前にウォーミングアップで疲れてしまうため、上記で例に挙げたように重さを上げていく毎にその回数を少なくしていくことをお勧めします。
- 怪我を防ぐため、徐々に重さを挙げていく
- ストレッチよりも怪我を防ぐ点で重要
- ウォーミングアップをやりすぎないように
無茶はするな
正しいフォームと重量で
初めての筋トレで張り切る人も多いと思います。しかし、いきなり筋トレをしてもフォームが分からなかったり、またその重さに慣れておらず、体幹がぶれてしまうことがあります。
このような状態で筋トレを行っても、効かせたい筋肉に有効的に効かせることはできず、また体を痛める可能性があります。
例えば胸の筋トレをしているのに、腕や肩の筋肉を使って挙げてしまい、胸の筋肉に刺激がいかなかったり、重さに耐えられずに、手首や肘、膝などの関節を痛めてしまったりなどです。
初心者で一番大切なことは、正しいフォームを身に着けるということです。そのため、いきなり体がふらつくくらいの重さで行うのではなく、しっかりと扱える軽い重量で、対象の筋肉に負荷がかかるのを感じてください。初心者であれば、重い重量を扱わなくても、しっかり対象の筋肉に負荷がかかっていれば十分筋肉痛が起こり、筋肉を成長させることは可能です。
- 初めはフォームを意識することが一番大切
- 怪我にも繋がるため、重量は軽いものを扱う
- 初心者なら軽くても十分筋肉は成長する
いつ筋トレをするといい?
筋トレを行うタイミング
ここでは一日のうちどのタイミングで筋トレを行うのが最も効率的かについて説明していきます。結論から言うと食後2時間後がベストです。それはなぜかについて説明してきます。
血中アミノ酸濃度
『1-7. 合成と分解』にて、血中アミノ酸濃度について説明しました。
筋トレを行った瞬間から、筋繊維が傷つけられ修復が始まります。よって、筋トレを行うときに血中アミノ酸濃度が高ければ、修復に使われるアミノ酸をすぐに提供できます。
普通の食事からタンパク質を補給した場合、血中アミノ酸濃度が最大となるのが約2時間後のため、このときに筋トレを行うと一番効率はいいでしょう。
グリコーゲン
また血中アミノ酸濃度の他にも、このタイミングで筋トレを行うと良い理由があります。ごはんやパンなどの糖質を摂ると、それらはグリコーゲンというかたちになって、筋肉や肝臓に蓄えられます。このグリコーゲンが筋トレを始めると、真っ先にエネルギーとして使われ始めます。
そのため、アミノ酸の他に、筋トレを行うときの原動力(エネルギー)も蓄えられている、この食後2時間後というのがいわゆる筋トレのゴールデンタイムです。
- 筋トレをした瞬間、修復が始まる
- 食後2時間後に筋トレを行う
お勧めしないタイミング
では筋トレをおすすめしないタイミングについて紹介したいと思います。
①空腹時
空腹時は血中アミノ酸濃度、グリコーゲンの量が共に低下しています。筋肉を修復する材料、体を動かすエネルギー共に不足しているため、避けた方がよいでしょうy。
②起床後すぐ
これも空腹時と同じ理由で避けたほうが良いです。また起床後は交感神経より副交感神経のほうが活発で、体が運動を行う準備ができていないため、お勧めしません。
時間が十分にない場合の対処法
ではどうしても時間がなくて、上記のおすすめしないタイミングで筋トレをするしかないという状況になったらどうしたらよいか。おすすめするのはEAAまたはBCAAと糖質を摂ることです。
EAAやBCAAについては4-2、4-3章で詳しく説明しますが、これらはすぐに吸収され、血中アミノ酸濃度を15分程度で上げることができます。そのため、筋トレを行う前に摂ることをお勧めします。
また糖質を摂ることで、筋トレを行うときのエネルギーをグリコーゲンとして蓄えることができるが、このときおすすめなのはマルトデキストリンです。これは甘くない砂糖で、忙しいときでもエネルギーをすぐに摂ることができます。
おすすめの摂取方法はマルトデキストリンとEAAまたはBCAAを一緒のドリンクに混ぜて摂り、その30分後に筋トレを行うことです。
筋トレをするのに役立つこれらのサプリメントは、『4-9. サプリメントを安く買うには』にて、安く買うための方法について紹介します。気になる方はそちらもご参照ください。
絶対に避けるべきタイミング
③食後すぐ
食後は食べ物を消化するために、胃に血液が集中します。そこで筋トレをすると、血液が筋肉の方にも流れてしまい、結果消化不良を起こしたり、筋肥大を起こしづらくなったりする可能性があります。そのため、食後すぐは避けたほうがいいです。
筋トレ方法
筋トレを始める前の、ウォーミングアップ、栄養補給などについてはある程度理解できたと思います。それでは筋トレをどのように行うかについて説明していきます。
筋トレの詳しい仕方については今後記載していく予定ですが、ここではそれぞれの筋肉部位の詳しいトレーニング方法ではなく、筋トレの際、意識することなどを書いていきたいと思います。
①筋トレ時間
筋トレは長くすればするほどよいということではないです。何なら15分程度でも十分筋肉を発達させることは可能です。初心者は最大でも筋トレ時間は1時間に納めることを進めます。
ではなぜ、長くやってはいけないかというと、少し専門的な話となりますが、長時間筋トレ(1時間半~2時間)を行うと、コルチゾールというものが分泌されてきます。このコルチゾールには筋肉を分解する作用があり、長時間行うと筋トレが逆効果になるからです。
豆知識として、コルチゾールというのは、アルコールを分解するときやストレスを感じたときにも分泌されます。そのため、トレーニングをする人はアルコールを飲まなかったり、ストレスをなるべく感じないように(これは筋トレ関係なく全ての人に当てはまるのだが)した方が成長しやすくなります。
- 筋トレ時間は1時間以内に終わらせよう
②筋トレ回数
回数は何回すればいいのか疑問を持つと思います。一般的に回数と筋肉の成長には次のような関係があるとされています。
- 1~7回:最大筋力アップ
- 8~12回:筋肥大
- 13回以上:筋持久力アップ
最大筋力
最大筋力を上げるためには低回数が望まれます。低回数で高重量を扱う場合、一番発達するのが神経であり、最大筋力を上げることができます。しかし、かなり重たいものを扱うため、怪我のリスクも高まり、初心者にはあまりおすすめしません。
筋肥大
筋肥大を行うには中回数が望まれます。8~12回程度行える重量を使用すると、一番筋繊維が破壊され、筋肥大が見込まれます。ただし、回数だけではなく、その時間も重要です。一番筋肥大が盛んとなる1セットの時間が45秒~1分と言われています。そのため、回数だけ意識するのではなく、8〜12回行うと大体45秒から1分くらい経っていると考えればいいと思います。
筋持久力
筋持久力をつけるには低負荷、高回数行う必要があります。低負荷で高回数行うことで、無酸素運動から、有酸素運動に変わり、マラソン選手のような、長く持続できる筋肉をつけることができます。
どれを選択すべきか
まず、初心者には最大筋力アップはお勧めしません。先述の通り、怪我のリスクがあるからです。男女とも、理想の体を作りたければ、筋肥大を狙った回数行うことをお勧めします。男性なら、筋肉が大きくかっこいい体を作ることができ、女性なら筋肉によって脂肪が持ち上げられシェイプアップできるからです。筋持久力を目的とした回数でも女性ならいいと思うかもしれませんが、これだと有酸素運動の要素も多くなり、最短距離でシェイプアップすることが難しくなるので、やはり筋肥大を狙った回数を行うことをお勧めします。
③インターバル
インターバルとは筋トレを一セット行った後、もう一セット行うまでの間の時間のことを指します。ネットではインターバルの時間に関して、1分がいい、3分がいい、いやいや1分では長すぎる、などさまざまな情報が飛び交っています。それもそうだと思います。なぜなら厳密な正解はないからです。それぞれ自分の経験則で説明しており、その人にとってはそれが正解となるのです。
インターバルを短くする利点
インターバルを短くすると、呼吸だけ整えて、筋肉に休憩する時間を与えずに、筋肉が回復しきる前に行えるため、より効率よく筋繊維を破壊することができます。一般的なインターバルの時間が1分とされているのはこのためです。
インターバルを短くする欠点
しかし、インターバルを短くすると、逆に筋肉の回復が追いつかずに、次のセットで急に回数が減ってしまうこともあります。こうなると、逆に効率が下がってしまうため、インターバルを長くすることも大切です。
おすすめのインターバル設定
それだとどちらを選択すればいいかわからないと思う人も多いでしょう。ここで私がおすすめするインターバルの設定方法は次の2つに分けてインターバルを設定するというものです。
- コンパウンド種目
- アイソレーション種目
これらは英語が得意な人なら単語から想像つくかもしれません。コンパウンドとは英語で複合などの意味を持ち、さまざまな筋肉を同時に使う種目です(例.胸:ダンベルベンチプレス、肩:ショルダープレス、背中:ベントオーバーローイングなど)。アイソレーションは単独などの意味を持ち、一つの筋肉のみを使用して負荷をかける種目です(例.胸:ダンベルフライ、肩:サイドレイズ、背中:ダンベルプルオーバーなど)。
コンパウンド種目の特徴
コンパウンド種目の特徴は、複数の筋肉を使うため、高重量を扱えるということです。
例えばダンベルベンチプレスでは、大胸筋の他に、肩の前部、上腕三頭筋なども使います。高重量を扱えるということはそれだけ他の筋肉にも負荷がかかっているということになるため、よりインターバルが必要となるでしょう。
この場合、扱う重さにもよるが、筋肥大を起こす回数の中で低回数(8回前後)で追い込むというときには、インターバルを最大5分程度とっても問題ないと思います。
アイソレーション種目の特徴
アイソレーション種目は一つの筋肉しか使わないため、高重量を扱うことはできません。
例えばダンベルフライは腕を伸ばし切ったときに一番負荷がかかるが、高重量で行うと、腕を伸ばし切ることができずに終わってしまいます。
そのため、コンパウンド種目と比べて、軽い重量で、どちらかというと回数を多めにして行うということが基本となります。10回から15回程度行い、インターバルは短めに(1~2分)設定するといいでしょう。
- コンパウンド種目は5分とってもよい
- アイソレーション種目は短めに
④セットの組み方
どのようなセットを組むかわからないときは、③で紹介したコンパウンド種目、アイソレーション種目を混ぜてセットを組むことをおすすめします。(例:コンパウンド種目で重たい重量を扱って、2~3セット筋トレを行った後、アイソレーション種目を2~3セット組む)
その他にもPOF法というものがあります。これは筋トレで行う種目をその方法によって3種類に分別したものであり、次の3つがあります。
- ミッドレンジ種目
- ストレッチ種目
- コントラクト種目
ミッドレンジ種目
動作の中盤で負荷が最大となる種目(ダンベルカール、ベンチプレス、スクワットなど)
ストレッチ種目
筋肉が伸びきったとき(伸展時)に負荷が最大となる種目(インクラインダンベルカール、ダンベルフライなど)
コントラクト種目
筋肉が収縮しているときに負荷が最大となる種目(コンセントレーションカール、キックバック、サイドレイズなど)
それぞれの特徴
特徴として、ミッドレンジ種目は重たいものを扱えるものが多いため、③のコンパウンド種目が多く含まれます。またストレッチ種目、コントラクト種目はアイソレーション種目が多く含まれます。そのため、まずミッドレンジ種目を2セット行った後、ストレッチ種目、コントラクト種目をそれぞれ2セットずつやるなどもおすすめします。
筋トレはやればやるほど、筋繊維の修復に時間がかかり、また栄養も必要となるので、3種目をそれぞれ2セットづつやったほうが初心者は大きな効果が得られるでしょう。
<セットの組み方>
- コンパウンド種目2~3セット+アイソレーション種目2~3セット
- ミッドレンジ種目2セット+ストレッチ、コントラクト種目1~2セットずつ
しかし、一度にいろいろな部位の筋トレを行う場合、それぞれの部位でこのようにやっていたら、時間が足りなくなってしまうでしょう。そこで、そのときどうやって行う種目を選択すればよいかについては、『2-7. 週に何回行う?』にて詳しく説明するとします。
⑤筋トレの種類
元から知識がある人や、このサイトから筋トレにもっと興味を持って、いろいろなサイトで調べた方などは、さまざまな筋トレ方法があることを知るでしょう。例えば、
- スーパーセット
- ジャイアントセット
- ピラミッド法
などがあるが、筋肉が成長するには常に新しい変化を加えることがとても重要となるので、いろいろ試して変化をつけることはとても大切で。
例えば、コンパウンド種目を行ってからアイソレーション種目を行うことを勧めたが、この順序を変えてみたり、重さを変えてみたり、慣れてきたら積極的に試してみることをお勧めします。
しかし、なんといっても初めのうちは基礎を築くことが一番重要です。そのためまずは、③や④で説明した基本的な筋トレ方法を行い、慣れてからいろいろなことに挑戦するといいでしょう。
Q & A ここでは私が実生活の中で受けた初心者が誤解しやすい質問に答えていきます
Q. 筋肥大目的で筋トレを行って、1セット目が8回だったため、2セット目は重さを下げて、8~12回に収めたほうがいいのか?
A. いいえ。その重量で2セット目、3セット目も行うべきです。筋トレで重たいものを使うほど、使われる筋繊維も多くなり、重さを下げると、使われる筋繊維は少なくなってしまいます。そのため、2セット目以降は8回はできなくはなりますが、その重さで行った方が良いです。そこで2回目以降の回数が少なくなりすぎないように、インターバルを多くとってみるなどするといいです。
Q. 筋トレを行ったら、その部分がすぐに大きくなって、筋肉が付いてしまった。
A. これは女性から受けた質問で、美容のために筋トレを行ったが、大きくなってしまって、怖くなったと質問を受けました。筋トレを行うと、筋肉がパンパンになって大きくなったことを経験した人は多いと思います。実はこれはパンプアップと呼ばれ、一時的に筋肉に血液から水分が運ばれてきて、膨れる現象です。そのため、筋肉が大きくなったのではなく、一時的に水分で膨張しているだけなので安心してください。これは筋トレ後20分程度続き、その後はまた元に戻っていきます。
筋トレ後に何をする?
筋トレ後にすること
筋トレが終わって、気持ちいい汗もかいたからお風呂に入ろうと思う人も多いと思いますが、まず筋トレ後にすべきことを紹介します。
筋トレ後、体は猛烈にタンパク質つまりアミノ酸を必要としています。ここで筋肉にアミノ酸を届けられるかが、筋肉を発達させるのにとても重要となります。
そこでおすすめなのがプロテインです。筋トレ後にすぐに肉や魚を食べてもいいのですが、筋トレ後疲れているときにすぐに食べれる人は少ないと思います。またプロテインは肉や魚と比べて、消化までの時間は速くなるため、スムーズにアミノ酸を吸収することができます。
また、エネルギーとして、グリコーゲンが大量に使われたため、これらを補給するために、ご飯などの糖質を摂るとよいです。食欲が湧かない場合には、マルトデキストリンをプロテインに混ぜて摂取するとよいでしょう。
また、『4-9. サプリメントを安く買うには』にて、上記のサプリメント等を安く買うための方法について紹介します。気になる方はそちらを参照ください。
筋トレ後、老廃物を取り除き、血流を良くするために、ストレッチも行うことをお勧めします。ストレッチを行うことでより炎症の悪化を防ぎ、回復までの時間が短くなります。
- 筋トレ後は筋肉のゴールデンタイム
- 筋トレ後の栄養補給を忘れずに
週に何回行う?
筋トレをすることによる弊害
『3-2. メンテナンスカロリー』にて、摂取カロリーと消費カロリーについて説明します。筋トレを週にたくさん行うことで、消費カロリーは上がってしまいます。そうすると今度は体を作るための食事が大変になってしまいます。
筋トレで体が変わらない理由
食事を撮ることが大変になってしまうため、初心者は週に2、3回程度で十分でしょう。ずっと筋トレをしているのに全く大きくならなかったという人もいます。
話を聞くと、毎日筋トレを一生懸命行ってはいたが、その分消費カロリーが上がり、食事から十分栄養を摂取できていなかったことが原因だとわかりました。
このように頑張っているのに筋肉が大きくならなかったため、自分には才能がないと思って諦めてしまった人の多くは、摂取カロリーが足りていないということが原因として考えられることが多いです。
同じ食事量で週2回の筋トレを行った場合と毎日筋トレを行った場合に、週2回では筋肉が成長し、毎日行った場合は全く成長しないということも起きてしまいます。
いきなりたくさん食べることはできないという人も多いでしょう。まさにハードゲイナ―の人は、たくさん食べても、栄養の吸収率が低いため、摂取カロリーが足りずに筋肉を付けることができないということがよくあります。
筋トレのセットの組み方
だから、筋トレは初心者は週に2、3回程度で十分でしょう。このときどのように筋トレを行うかを分割法という方法で考えます。分割法とは、筋トレを週に2回以上行うとき、どのようにして鍛える部位を分割するかという方法です。
<分割法>
- 2分割法:上半身、下半身で分けるのがおすすめ
- 3分割法:胸、背中/肩、腕/脚、腹筋などアレンジ方法はいろいろ
2分割法だと上半身、下半身で分けるのが基本で、3分割法だと、いろいろアレンジすることが可能です。
1時間以内に終わらせるために
筋トレ時間は1時間以内に終わらせた方がいいと説明しました。そのため、2分割や3分割だと、それぞれの部位でコンパウンド種目とアイソレーション種目を組み合わせたり、POF法をとったりしたら時間は足りなくなります。2分割法だと、それぞれの部位で1種目も行ったら、時間がきてしまいます。
様々な部位を同時に鍛える
そこでおすすめなのが、コンパウンド法で同時にいろいろな筋肉を鍛えることです。コンパウンド法は先ほども説明しましたが、さまざまな筋肉を同時に使える方法です。
例えば、2分割法の上半身では、胸、背中、肩、腕、腹筋があるが、ダンベルベンチプレスによって胸、肩の前部、腕(上腕三頭筋)に負荷がかかり、ベントオーバーローイングによって背中、肩の後部、腕(上腕二頭筋)などが鍛えられます。
この2種目だけで上半身のほぼ全部を鍛えることができてしまいます。腹筋は全てのトレーニングで使われている(体幹として、体を支えている)ため、下半身の日にでも鍛えればよいでしょう。
このようにコンパウンド種目をとれば、少ない時間で全ての部位を鍛えることができる。それでも時間が余れば、自分の中で発達が遅い部位のアイソレーション種目を行えばよいと思います。
それでも足りない時が来れば、5分割法(胸、背中、肩、腕、脚)と分ければよいでしょう。そのころには、大分知識もついており、このサイトも卒業していると思います。
- 初心者は週に2、3回で十分
- コンパウンド種目で効率的に鍛える
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