炭水化物と食物繊維の違いをご存知ですか?
全く違うものと考えている方は間違っています。
実は炭水化物と食物繊維は非常に近い関係であり、それぞれを語る上では切っても切り離せない関係性なんです。
そこで多くの人が勘違いしているそれぞれの違いや役割について説明していこうと思います。
糖質についても紹介しますので、正しく理解してくださいね!
炭水化物について紹介
まず初めに炭水化物について話していきます。
炭水化物は生きていく上で欠かせない栄養素の1つです。
それでは詳しく炭水化物を紹介します!
炭水化物は3大栄養素の1つ
炭水化物はタンパク質と脂質と合わせて3大栄養素の1つ。
炭水化物、タンパク質、脂質はエネルギー産生栄養素とも言い、体がエネルギーを生み出せる栄養素です。
つまり体を動かす際にエネルギーとして使われるのは3大栄養素の役割の一つ。
生きていく上では欠かせない栄養素ですね。
炭水化物は食物繊維と糖質の2つを含める
炭水化物は糖質と食物繊維の2種類に分類されます。
3大栄養素の一つとして紹介されるのは糖質。
糖質と食物繊維で分かれる理由は、人間が分解できるかできないかです。
炭水化物の消化と吸収
炭水化物は分解途中で「デンプン」と「食物繊維」の2つに分かれます。
人間や犬などの動物は、デンプンを消化できる酵素を持っているため、デンプンを糖の最小単位であるブドウ糖まで分解して吸収が可能。
しかし食物繊維を消化できる酵素はあまり持っていないため、分解されることなく体外に排出されます。
よって消化酵素を持って吸収できるかが糖質と食物繊維の違いですね。
草食動物は食物繊維を分解して吸収できますので、人間の食物繊維が糖質となります。
糖質について紹介
糖質と食物繊維の違いについて理解できたと思いますので、糖質に絞って詳しく説明していきます。
糖質の働き
糖質は3大栄養素の1つであるため、生命活動を維持する役割を備えます。
そのほかに、糖質だけ持つ役割として、筋肉や脳の動力源にも。
糖質は分解された後、グリコーゲンとして筋肉に貯蔵されます。
グリコーゲンは体がすぐに使える形にしたエネルギー源ですので、生命活動を維持するほか、運動や筋トレをする際に大量に使用されます。
また脳の唯一の栄養素にもなりますので、集中力や思考の低下を防ぐために欠かせない栄養素なんです。
糖質を含む食材
糖質を含む食材は、米やパン、麺類、芋類などの主食がメインです。
砂糖はほぼ全てが糖質となりますね。
また、これらの食材のほかにも、少なからず糖質は含まれます。
アスパラガスや、かぶ、キャベツ、スルメ、牛肉、ウィンナーなどにも多少糖質は含まれますので、主食や砂糖からしか摂取できないという考え方は間違いですね。
糖質の1日の摂取目安量
糖質は1日に摂取するカロリーの50~65%程度の摂取が望まれます。
では1日に摂取すべきカロリーってどのくらいと疑問に持つでしょう。
摂取すべきカロリーはメンテナンスカロリーやマクロバランスをもとに算出が可能。
健康的に筋肉をつけたり、ダイエットをしたり、体型を維持したりするにはメンテナンスカロリーとマクロバランスの理解が重要です。
糖質が不足すると起こるリスク
糖質が不足すると様々なデメリットが生じます。
主に次のようなデメリットが。
- 脳が栄養不足になる
- 筋力やスタミナの低下
- 血液の老化
- 筋肉量低下の危険性
1つ目は、脳の唯一の栄養素ですので、糖質を極度に制限すると、脳が栄養不足状態に陥り、集中力や思考が低下します。
また2つ目は、エネルギーの元であるグリコーゲンが生成されませんので、力を出したり、体力が落ちたりすることも。
3つ目として、血液を生成する骨髄の機能が低下し、損傷した血管が修復されにくくなりますので、動脈硬化につながる可能性も。
4つ目は糖質が不足すると、筋肉のタンパク質を分解して糖質を生み出すため筋肉量が低下します。
タンパク質から糖質に変換する体の反応を「糖新生」と言いますが、筋肉が減ると痩せにくく太りやすい、風邪をひきやすい体になるなど、メリットは1つもありませんので、気をつけましょう。
糖質を過剰摂取すると何が起こる
糖質の過剰摂取も危険。
糖質の過剰摂取で起こるデメリットは以下の2つ。
- 食後高血糖になる
- 肥満につながる
糖質はブドウ糖まで分解されて、血液に吸収されて全身に届けられます。
しかし糖質を過剰に摂取すると、血液に流れるブドウ糖の量が増え、血糖値が一時的に高くなり動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などのリスクが高まる危険性が。
また過剰に上がった血糖値は、血糖値を下げるホルモン「インスリン」によって、急激に下げられますので、過度な眠気、集中力の低下にもつながります。
また、過度に摂取した糖質の余剰分は中性脂肪に変化し、脂肪組織として蓄えられるので、肥満の原因に。
糖質を過剰摂取してもいいことはありませんので、注意してください。
筋トレ中の糖質の取り方
筋トレに糖質は欠かせません。
糖質が不足すると、筋肉の合成が妨げられたり、グリコーゲン不足によりパフォーマンスが低下したりする可能性があるからです。
筋トレ前は体にグリコーゲンを貯めるため、筋トレ中は激しく消費するグリコーゲンを補給するため、筋トレ後は不足した糖質を補給するために摂取がおすすめ。
糖質が不足した状態は体が空腹となってしまいます。
空腹状態になるとさまざまな問題が生じるため、正しく糖質を補給するのが大切です。
ダイエットとGI値
糖質の過剰摂取は体脂肪の増加につながるため、正しく摂取しましょう。
体脂肪を増やさないためには、一気にブドウ糖が体に吸収されないのが重要。
ポイントは以下の2つ。
- 糖質摂取前に食物繊維などを摂る
- GI値が低い食材を選択する
まず空腹時に糖質から摂取すると、糖質の吸収速度は上がります。
糖質の吸収速度が上がると、血液中のブドウ糖が過多になり、太りやすい結果に。
そのため食事を摂る際は、糖質からではなく食物繊維などから先に摂ると、吸収速度がゆっくりになり、太りにくくなります。
また、GI値とはグリセミック指数(Glycemic Index)といい、食後の血糖値の上昇を示す指数です。
GI値は100までの値で表され、100に近いほど血糖値が上がりやすく、ダイエットをする上で気をつけたい食事になります。
GI値70以上が高GI値となりますので、70を超えるうどんや、白米、パン、砂糖(GI値100)、にんじん、かぼちゃなどの食材を食べる際は注意が必要です。
糖質を摂取する際のポイント
糖質を摂取する際は、代謝に関わるビタミンB1と一緒に食べるのがおすすめ。
ビタミンB1が不足すると代謝が行われにくくなるため、脂肪として蓄積されやすくなります。
そのため、同じ糖質でも、白米より玄米、パンでも全粒粉パンやライ麦パンなどを選ぶことでビタミンB1を同時に摂取でき効率的です。
糖質と糖類と糖分の違い
糖質とはエネルギー源です。
また、糖類とは糖質の一部を表す言葉で、糖分とは砂糖などの甘いもの一般を指します。
糖類については、糖質の中に糖類として、単糖類、二糖類、多糖類などがあるため、糖質と混同しないように注意しましょう。
食物繊維について紹介
糖質についてはおおよそ理解できたでしょう。
次に炭水化物の残りの一つ「食物繊維」について詳しく説明していきます!
食物繊維の働き
食物繊維は腸内環境を整えたり、血糖値上昇を抑えたりと生理機能を整えたりする役割があります。
まず食物繊維は小腸で消化吸収されずに、大腸まで到達する食品成分です。
大腸では悪玉菌より善玉菌が優位な状態が理想。
悪玉菌が優位になると、お腹にガスが溜まったり、腸の吸収機能の低下、肌荒れなどさまざまな問題が生じる結果に。
そのため、善玉菌が優位になっておく必要がありますが、食物繊維は大腸まで届くと、お腹の調子を整える善玉菌の餌になります。
そのため、善玉菌を増やすには食物繊維が大事ですね。
また吸収されずに便を絡みとって進むため、便通の改善にも効果アリです。
血糖値の上昇を抑えたり、血中のコレステロール濃度を下げる役割もありますので、食物繊維は積極的に摂取しましょう!
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類ある
食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類に分類できます。
読んで字の如く、水溶性食物繊維は水に溶け、不溶性食物繊維は水に溶けません。
水溶性食物繊維の役割2つ。
1つ目は、ネバネバしているため、腸内をゆっくり移動して糖質の吸収を穏やかにし、血糖値の上昇を抑える役割を持ちます。
2つ目は、吸着性によりコレステロールや胆汁酸を吸収しますので、これらを体外に排出し、コレステロールを低下する役割です。
不溶性食物繊維は、水に溶けずに水分を吸収して膨らむため、便のカサを増し、腸の動きを活発化させます。
また善玉菌の餌になり、腸内環境を整えるのは不溶性食物繊維の役割ですね。
食物繊維を含む食材
食物繊維=野菜と思った方は黄色信号!
実は野菜でもレタスやきゅうり、トマトなどにはほとんど食物繊維が含まれません。
アスパラガスやセロリ、切り干し大根などの野菜や、キノコ類や海藻類は食物繊維が豊富に含まれていますので、これらを積極的に食べましょう。
食物繊維が不足すると便秘になりますので、正しく摂取してください。
食物繊維と便秘について詳しく知るにはこちらの記事が参考になるかもしれません。
食物繊維の1日の摂取目安量
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、女性は18g以上、男性は21g以上(18歳以上)の食物繊維が摂取目標量と定められています。(参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」)
しかし、玄米ご飯150gで食物繊維2g、ごぼう1/4個で3g、オクラ5本で2gなど食物繊維を必要量摂取するのは意外に大変です。
おすすめはサプリメントからの摂取。
野菜やキノコ類、海藻類が苦手な方でも簡単に食物繊維を摂取できますので、ぜひサプリメントからの摂取を検討しましょう!
食物繊維を過剰摂取すると何が起こる
食物繊維の摂取はメリットがたくさんあるとわかったでしょう。
しかし、食物繊維を過剰摂取するとどうなるのか。
食物繊維の過剰摂取で生じる問題は次の3つ。
- 栄養が吸収されにくい状態に
- 下痢になりやすくなる
- 便秘が悪化する
水溶性食物繊維を摂りすぎると、血糖値やコレステロール値の上昇を抑えるだけでなく、ビタミンやミネラルなどの栄養素の吸収を抑える可能性も。
また水溶性食物繊維は水に溶け便を柔らかくしますが、過剰摂取によって水分量が増え、下痢を引き起こしやすくなります。
さらに不溶性食物繊維は便秘を悪化させる可能性も。
便秘の種類が、大腸の収縮が強くなることによって生じる痙攣性便秘の場合、さらに大腸が刺激され、便秘が悪化するからです。
食物繊維を摂るメリットは多々ありますが、摂り過ぎには注意しましょう。
炭水化物と食物繊維の紛らわしい違いを正しく理解しよう
炭水化物には糖質と食物繊維の2種類あり、糖質は人間がエネルギーとして利用でき、食物繊維は腸などの体の調子を整える役割があるという点で違いがあります。
今回の記事では糖質と食物繊維にてぜひ知りたい知識をまとめました。
健康的な体になるには糖質や食物繊維の違いについて正しく理解することが重要です。
本記事を通して、糖質と食物繊維の違いについて正しく理解しましょう。
最後までありがとうございました!
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