筋トレを行うタイミングについて普段から意識をしていますか?
実は空腹時に筋トレを行うと、全くの逆効果になってしまう可能性があるため注意が必要です。
今は一生懸命頑張っているから気にしていない
タイミングは特に意識していなかった…
2人のようにせっかく筋トレを頑張っていても、ベストな状態で筋トレができていないと、頑張りも水の泡になってしまいます。
しかし、逆にどのタイミングで行えばいいのかを知れば、効率よく筋肉は成長すると言えるでしょう。
ここからは、空腹時の筋トレが意味ない理由を説明し、どのタイミングで行うと最も効果的か、説明していきます!
空腹時の筋トレが意味ない理由
空腹時とは、体の中の食べ物が全て吸収されて空っぽの状態を指します。
もしご飯をたくさん食べても、4,5時間後には体の中は空っぽになってしまいます。
ご飯を食べても4, 5時間後には、食べ物が全て吸収され、体はエネルギー不足になってしまう。
では、空腹時に筋トレを行うと、どのような問題点があるのでしょうか?
「体に何もない状態の方が、パフォーマンスは上がるのでは?」と思う方もいるかもしれません。
筋トレのパフォーマンスが上がり筋肉がつくと思った人は注意。
実は筋肉がつくどころか、筋肉が落ちる可能性があるなど、さまざまなデメリットが生じるのです。
空腹時に筋トレを行うと生じるデメリットは次の3つ。
- 力を発揮できない
- 集中力が続かない
- 筋肉が分解される可能性がある
それぞれについて説明していきます。
空腹時の筋トレがダメな理由1:力を発揮できない
まず、ランニングや軽い水泳などは有酸素運動、筋トレなどの激しいトレーニングは無酸素運動に分類されます。
有酸素運動と無酸素運動の違いは何をエネルギーとして使用するかです。
有酸素運動は、主に自分の脂肪や、場合によっては筋肉を分解してエネルギーを得ます。
それに対して、無酸素運動は筋肉の中に蓄えられている糖質の最小単位である「グリコーゲン」をエネルギーとして使用します。
- 有酸素運動は脂肪や筋肉を分解してエネルギーを得る
- 無酸素運動(筋トレ)は筋肉に蓄えられているグリコーゲンをエネルギーとして使用する
つまり、筋トレではグリコーゲンが不足するとエネルギーを得られず、力を発揮できません。
グリコーゲンは食事から糖質を摂ると蓄えられます。
糖質とは、ご飯やパンなどに多く含まれており、炭水化物と言ったら理解しやすいかもしれません。
糖質と炭水化物の違いはここで触れると、長くなるため割愛します。
グリコーゲンは糖分を摂取して、約2,3時間後に筋肉中に蓄えられます。
つまり、食事後2,3時間後は体にグリコーゲンが蓄えられており、最も力を発揮できるゴールデンタイムなんですね。
逆に食後2,3時間後以外に筋トレを行うと、グリコーゲンが不足しているタイミングとなってしまうため、十分なパフォーマンスを発揮できずに筋トレが意味ないものになってしまうのです。
また糖質はグリコーゲンだけでなく、筋肉を増やしたりダイエットを行う上でとても重要な栄養素。
筋肉を増やすのに大切な栄養素としてタンパク質を真っ先に思い浮かべる人は多いと思いますが、実は糖質も正しく理解すると最短距離で体を変えられます。
ぜひ糖質についても理解しましょう!
[補足]筋トレで成果を出すために重要なグリコーゲンとは
空腹を防ぎ、筋トレで力を発揮するために、グリコーゲンは効果的です。
また人間の体は安静時でも常にエネルギーを消費していますが、この際にもグリコーゲンがエネルギーとして使われます。
グリコーゲンは筋肉に蓄えられ、運動した際に最も早く使用されるエネルギーです。
そのため、エネルギーとして最も手っ取り早く使用できるグリコーゲンは、体を維持するためのエネルギーとしても使われています。
つまり、食事の間隔が空いたときや、朝起きてすぐのタイミングは、筋肉中のグリコーゲンは空っぽの状態に。
グリコーゲンが枯渇すると、体はエネルギーがない状態ですので、力が発揮できなくなってしまうのですね。
以上の理由から、空腹時では力を発揮できず、筋トレが意味ないものになってしまいます。
空腹時の筋トレは、グリコーゲンが不足しているためおすすめできないのですね。
食後2,3時間後は最も筋肉にグリコーゲンが蓄えられている状態ですので、この時に筋トレをすると良いでしょう!
いやいや、働いているし食後2,3時間後に筋トレをするのは難しいよ
学生や社会人で忙しい人は、2時間前から食事を摂らなければいけないのは結構難しいと思います。
そこで比較的すぐにグリコーゲンを摂取できる食べ物を食べるのがおすすめです。
食事のタイミングが難しい場合は、バナナやゼリータイプの栄養補助食品で栄養を補給しましょう。
食事が難しい場合はバナナやゼリータイプの栄養補助食品から糖質を補給するのがおすすめ。
これらは白米やパンなどよりも素早く糖質が吸収され、グリコーゲンに変わるためです。
しかし、もっと素早くグリコーゲンを補給できる、いわゆる裏技も。
実は吸収速度の早いものから糖質を摂取すると、30分程度でグリコーゲンを蓄えられます。
それはマルトデキストリンという砂糖です。
砂糖の中で最も吸収速度が速いのがグルコース(ブドウ糖)です。
マルトデキストリンもグルコースと同等の吸収速度ですので、すぐに体に吸収されます。
さらに、グルコースと比べて甘くない点で優れています。
グルコースは砂糖の中で最も吸収速度が早いですが、甘いため一度に大量の摂取はできません。
それに対し、マルトデキストリンは甘くないため、無理なく効率的にグリコーゲンを蓄えられるのです。
まだ多くの人に知られていないサプリメントですが、本格的に体を鍛えている人の多くが飲んでいます。
1回に30~50gほどのマルトデキストリンを、プロテインなどと混ぜて朝起きてすぐや筋トレ30分前、間食などで飲むと良いでしょう!
空腹時の筋トレがダメな理由2:集中力が続かない
実は、糖質は集中力の維持とも密接な関係があります。
空腹時に筋トレを行うと、集中力が続かず最後まで力を出し切るのが難しくなってしまいます。
なぜなら、糖質は脳が利用できる唯一の栄養素だからです。
よって、糖質が不足していると、脳が利用できる栄養素がなくなってしまい、十分なパフォーマンスが発揮できなくなります。
よって、適切に栄養を補給しないと、集中力が続かずに本来の力を発揮できなくなってしまうのですね。
パフォーマンスを高く保つためにも、筋トレ前の食事を心がけましょう。
空腹時の筋トレがダメな理由3:筋肉が分解される可能性がある
空腹時の筋トレは、パフォーマンスを高く保てないだけでなく、筋肉が分解される可能性さえあります。
筋肉をつけるための筋トレなのに、筋肉が減ってしまっては本末転倒です。
では、なぜ筋肉が分解されるのでしょうか。
負荷の高い無酸素運動をする際、すぐにエネルギーとして取り出せるグリコーゲンを使うと説明しました。
しかしグリコーゲンが不足していると、どこからエネルギーを作り出すかわかりますか?
グリコーゲンが足りないなら脂肪とか?
いや、パフォーマンスは落ちるだけで、何も使わないのでは?
↪︎脂肪をエネルギーとして使ったり、何も使わないだけならまだ許せます。
実はグリコーゲンが不足していると、筋トレのエネルギーとして脂肪と筋肉を使用します。
「なぜ、筋トレをするのに筋肉を使うの?」と思うかもしれません。
筋肉は体積あたりのエネルギーが高く、手っ取り早く取り出すエネルギーとしては絶好なのです。
筋肉をつけるための筋トレで、筋肉をエネルギーとして使ってしまったら、今行っている筋トレは意味ないものとなります。
筋肉の分解を防ぐために、筋トレ前にしっかり食事を摂取し、グリコーゲンを蓄えましょう。
空腹時以外の筋トレが意味ないタイミング
空腹時に筋トレをしてはいけないのは分かりましたが、空腹時以外にも筋トレをしてはいけないタイミングはあります。
ここからは、空腹時以外の筋トレをしてはいけないタイミングについて紹介します。
空腹時以外の筋トレが意味ないタイミング①:起床後すぐ
起床後すぐは、空腹時と同様に栄養が枯渇して、高いパフォーマンスは出せません。
また副交感神経が優位になっている点も気をつけたいです。
起床後すぐは副交感神経が優位になっており、交感神経が優位となるには一定の時間がかかります。
副交感神経が優位な状態で筋トレを無理に行っても、やる気が出ず、筋肉に流れる血液も不足し、回復までに時間を有するため百害あって一利なしです。
朝起きてすぐの筋トレは避けましょう。
空腹時以外の筋トレが意味ないタイミング②:就寝前
筋トレをすると筋肉は修復作業を行い、前回よりも少しだけ大きくなり、このサイクルを繰り返して筋肉は成長していきます。
よって、筋肉を大きくするには壊れた筋肉を修復する作業が必要不可欠ですが、この修復は睡眠時に最も盛んになります。
つまり、筋肉を成長させるには睡眠の質がとても大切です。
しかし、寝る直前に筋トレを行うと、アドレナリン等が分泌され交感神経が盛んになってしまうため、なかなか寝付けずに睡眠の質が落ちてしまいます。
良質な睡眠を取るためにも、寝る直前の筋トレはおすすめできないのです。
少なくとも寝る2時間には筋トレを終えておきましょう!
空腹時以外の筋トレが意味ないタイミング③:満腹時
満腹時の筋トレもおすすめできません。
筋トレを行うと、筋肉が傷つくとともに、老廃物が溜まります。
傷ついた筋肉を保護し栄養を届けるとともに、老廃物を取り除くために、筋肉に血液が流れ込みます。
そのため、筋トレには血液が欠かせません。
しかし、食事を摂るった後は体は食べ物を消化するために、胃に流れる血液の量が増えます。
食後に眠くなるのは、血液が胃に集中し、脳が血液不足になるため。
よって食後すぐに筋トレを行うと、筋肉と胃に届ける血液が不足してしまうのです。
食後すぐの筋トレは、筋肉の修復が十分に起こらなかったり、消化不良に陥ったりと、筋肉と胃のどちらにとっても良くありません。
そのため、食後2,3時間後が筋トレのゴールデンタイムとなるのです。
筋トレを行うのに最も良いタイミングを正しく理解しよう
筋トレが意味のないタイミングとなるのは空腹時の他、起床後すぐ、就寝前、食後の満腹時でした。
つまりこれらのタイミング以外に筋トレを行えば、良いでしょう。
その中でも、脳や筋肉に十分な栄養素が届けられている食後2~3時間後が筋トレのゴールデンタイムとなり、パフォーマンスを最も高く発揮できます。
ゴールデンタイムに筋トレを行うだけで、いつも以上の重さを持ち上げられたり、やる気が続いたりと良いことだらけですので、筋トレ初心者は特に意識すると良いでしょう。
忙しくても筋トレ前は糖質とタンパク質の摂取を行おう
忙しくて筋トレの2,3時間前に食事ができない場合、筋トレ30分前にマルトデキストリンの摂取をおすすめしました。
しかし、「マルトデキストリンのみ摂取すれば安心」というわけでもないのです。
筋肉はいつ筋トレが終わるかは勿論わからないので、筋トレを行って筋肉が傷つけられた瞬間から修復作業に入ります。
では修復時に筋肉の栄養素であるタンパク質が不足しているとどうなるのでしょうか?
実は筋肉を分解してタンパク質を得ようとします。
エネルギーを取り出すために筋肉を分解するだけでなく、筋肉を修復するためにも筋肉が分解されてしまうのです。
筋肉の分解を防ぐためにも、筋トレ前の食事でタンパク質も意識して摂取する必要があります。
しかし、現代人は忙しいです。
食事の代わりにマルトデキストリンからの糖質の摂取をおすすめしましたが、タンパク質はどうすればいいのでしょうか?
おすすめは、プロテインからのタンパク質摂取です。
プロテインは1.5時間程度で吸収されるため、筋トレの1.5時間前に飲むと栄養素を届けられます。
筋トレの1.5時間前にプロテインとマルトデキストリンを混ぜてささっと飲んでおけば、簡単に栄養を摂取できます。
プロテインを摂る時間がないときの裏技
マルトデキストリンは筋トレ30分前でも大丈夫なのに、プロテインは約1.5時間前と聞いて、「効率悪いな」と思いませんか?
ここでは、プロテインを飲む時間もないため、筋トレ直前に簡単に栄養を摂取したいと思う方に、裏技を紹介します。
ここで紹介する裏技は、「プロテインの代わりにEAAまたは、BCAAを飲む」です。
EAA(Essential Amino Acid):人間が体内で作り出せず、外部から摂取する必要があるアミノ酸9種類をバランスよく含んだサプリメント
BCAA(Branched Chain Amino Acid):EAAの中から、筋肉の成長などに関与するバリン、ロイシン、イソロイシンの3種類を集めたサプリメント
EAAまたはBCAAはアミノ酸を含んだサプリメントです。
EAAやBCAAは摂取後15分で吸収されるため、プロテインと比較してとても速いのが特徴。
では、なぜ吸収時間が早いのでしょうか。
人間はタンパク質を摂取した後、アミノ酸まで分解してから、体のさまざまなところに届けられます。
そのため、プロテインを摂取すると、タンパク質がアミノ酸まで分解されるため、EAAやBCAAの方が吸収時間が早くなるのです。
EAAまたはBCAAをマルトデキストリンと同時に摂取すると、筋トレを高パフォーマンスで行えるのでおすすめです。
筋トレ30分前にマルトデキストリンとEAAまたはBCAAを摂取して、筋トレに必要な栄養素を効率よく摂取しよう!
EAAとBCAAについてもっと詳しく知りたい方は、下の記事をご覧ください。
筋トレ中も栄養が枯渇する可能性がある
食事を摂取して2,3時間後に筋トレを行うと、空腹状態でのトレーニングを避けられると説明しました。
しかし、筋トレ中にもグリコーゲンやタンパク質は消費されるため、筋トレ中にエネルギー不足となり、栄養が枯渇する可能性もあります。
よって筋トレ中の空腹状態を防ぐために、筋トレ中の栄養補給も大切なのです。
栄養補給方法として、筋トレ中にEAAとマルトデキストリンを入れたドリンクを飲むのがおすすめ。
マルトデキストリンを摂取すれば糖質が摂取でき、EAAは効率的に筋肉にアミノ酸を届けられますね。
筋肉的にはまだまだ追い込みができても、体のエネルギー不足によって追い込めなくなる可能性はあります。
筋トレを高いパフォーマンスで行うためにも、EAAとマルトデキストリンを含んだドリンクを活用して、栄養を摂取しましょう!
筋トレ後の栄養補給も忘れずに
筋トレ後は体や筋肉を回復させるために、十分な栄養補給を行いたいところ。
おすすめは食事からのタンパク質と糖質の摂取です。
筋肉を修復し、大きな筋肉に成長させるためにタンパク質が欠かせません。
また、食事から糖質を摂取すると、体力の回復も早くなり、筋肉も効率的に成長できます。
ただ、筋トレ後に食事を摂るのは難しいという人もいるでしょう。
その場合は、プロテインを摂取してタンパク質を補給すればいいですね。
【検証】実際に空腹時に筋トレを行った結果
では実際に空腹時としっかり食事を摂った後に筋トレを行ったら、どの程度パフォーマンスが変わるでしょうか。
ここからは筆者が空腹時の筋トレはどのくらいパフォーマンスに影響するのかを検証します。
検証方法として、ダンベルベンチプレス30kgを持ち3セット行い、それぞれで何回上がるのか、を実験します。
- 検証方法
- 食事をしっかりと摂った場合・・・ご飯をしっかり摂った後、2時間後に実施
- 空腹時・・・食後4時間空いた後に実施
検証①:食事をしっかりと摂った場合
ダンベルベンチプレス30kgを行った結果 | |
---|---|
1セット目 | 12回 |
2セット目 | 10回 |
3セット目 | 9回 |
食事をしっかりと摂った後は、1セット目から順に、12回、10回、9回という結果に。
2セット目、3セット目を行う前に力尽きるなどの感覚はなく、十分に追い込み可能でした。
また、体力的にも余裕があったので、第二種目のダンベルフライも最後まで集中して行えました。
検証②:空腹時
ダンベルベンチプレス30kgを行った結果 | |
---|---|
1セット目 | 8回 |
2セット目 | 4回 |
3セット目 | 3回 |
食事を食べていない空腹時も筋トレ前は、食事を摂った場合と違いはありませんでした。
しかし、筋トレを始めてみると明らかに差を実感します。
回数は8回、4回、3回と大きく下がる結果になりました。
また、ダンベルベンチプレスを終えた後に次の種目に移ろうとしても、なかなか力が出ず、追い込むのが難しかったです。
食事をしっかり摂った場合と比較し、やる気が出ない点で最も差があると感じました。
やる気が出ずに、意識がぼーっとする感じでした。
それぞれの回数などを表にまとめます。
筋トレ条件 | 食事をとった場合 | 空腹時に行った場合 |
---|---|---|
回数 | 12回→10回→9回 | 8回→4回→3回 |
2種目以降 | 体力に余力あり | 力が出ずに断念 |
その他 | 集中力が続いた | やる気が出ず、 ぼーっとする |
食事をとった場合と、空腹時では回数でも気持ち面でも明らかな差が生じました。
グリコーゲンが不足するといかに筋トレでパフォーマンスを出すのが難しいかがわかります。
せっかく筋トレをするのに、空腹で意味ないものとなってしまうのは勿体無いです。
しっかり食事を摂ってから筋トレを行いましょう!
空腹時の筋トレは意味がない理由と対策方法まとめ
今回は空腹時の筋トレが意味ないものとなってしまう理由について紹介しました。
また、空腹時以外で筋トレがおすすめできないタイミングについても理解できたでしょう。
筋トレを最も高いパフォーマンスで行うには、行ってはいけないタイミングを避け、必要な栄養素の補給が最重要です。
栄養素を補給する点では、サプリメントを活用する大切さもわかったでしょう。
筋トレは正しい知識で行えば、必ず成長します。
今回の記事を参考にして、正しい方法で、パフォーマンスを高く保ったまま筋トレが行えれば、ぐんぐん成長も狙えますよ。
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